今大会のスローガンは『向き合おう!まっすぐに 語り合おう!子どもの未来のために』です。
IT社会の進展や少子高齢化、核家族化の進行など、社会環境が大きく変化したこともあり、家庭や地域社会の教育力、若年層の社会性が低下しているとの指摘があります。
今回のメインテーマは以下の通りです。
- 自ら学び実践するPTA活動
- 家庭・学校・地域社会が協働し子どもを育むPTA活動
- 子どもの安全・安心な教育環境を整えるPTA活動
- 食の大切さを考え基本的生活習慣を実践するPTA活動
- 環境を大切にし人を愛する心豊かな子どもを育むPTA
- 子ども一人ひとりの自己実現を支援するPTA活動
私たちが愛してやまない子どもたちのために、今、家庭は、地域は、学校は何をすべきなのか、子どもたちとどう向き合えばいいのか。参加者一同、学び、感じ、使命感を強化した2日間となりました。
大会1日目は、組織運営・家庭教育・学校教育・情報活動・地域連携・人権教育・国際理解・健康安全食育など11の分科会に分かれ、基調講演や活動事例発表・研究討議が行われました。
2日目の全体会では、式典が行われ、大会宣言・決議が採択されました。引き続き、川島隆太氏(医学博士・東北大学教授)による「脳科学から見た 早寝・早起き・朝ごはんの大切さ」と題した記念講演が行われました。
約1時間半の講演前半は、氏の研究による最新の脳科学についてお話しいただきました。「脳に関する最新の知識にショックを受けるだろう」で始まった講演は、笑いあり、驚きあり、うなずきありで、多くの学びを得ることができました。
私たち親世代の脳は、残念ながら“錆”つき始めていることが証明されました。
脳科学の知識は、己を知ること、己の脳の弱点とどう付き合っていくかに役立ちます。氏の著書やDVDなどで脳科学の知識を仕入れてみてはいかがでしょうか。
後半は早寝・早起き・朝ごはんの大切さについての解説でした。
教育の目標は「生きる力をつけること」ともいわれます。
生きる力はどこから生まれるのか、それは脳の前頭前野の機能である。
「早寝・早起き・朝ごはん」は子どもの脳の器の発達に欠かせないものである。脳の器の発達が子どもの未来の可能性に大きく影響するというお話でした。
また、早寝・早起きについては睡眠の質はもとより、生活のリズムが重要だと指摘。家庭や学校に問題がない不登校や引きこもりの多くは、生活のリズムの乱れによるものだということです。
朝ごはんに関しては、脳が働くのに必要なのはご飯やパン等のブドウ糖になる主食ですが、脳が学習するのにはおかずに含まれるリジンという栄養素が必須であると最近の研究でわかったそうです。
子どもがどんなに一生懸命勉強しても、脳が学習するのに必要な栄養素が不足していると、子どもの努力が返ってこない。朝食におかずを食べない子どもが4割いるというデータ。朝食を粗末にすることで子どもの努力が無駄になっているという事実にショックを受けました。
さらに川島教授が強く訴えていました。
PTA活動に関わらず、学校からのプリントにも目を通さない家庭に救われない子どもたちがいること。パンだけかじって学校に来て、本人やる気を持って努力して勉強しても脳という器が発達しないので成績も上がらない。なんとも残念で悲しいことです。
「早寝・早起き・朝ごはん」の生活習慣を子どもにつけるのは親としての責務で義務であると思いました。
子どもの努力が報われる状態にして学校に送り出そうではありませんか。
子どもの成長は待ったなしで、私たちが健全な成長をサポートできる期間は短いものです。正しい知識を持って育成の環境をつくることの重大さを痛感しました。
参加者一同PTA活動の役割を再認識し、本大会で得たものを各学校、地域に持ち帰りました。
出張2日間ちょっとお疲れ気味の一同は、仙台市で名物の牛タン定食を食しました。
2学期もがんばりたいと思います。