2016年9月5日月曜日

第64回 日本PTA全国研究大会 徳島うずしお大会 参加報告

今年度64回目を迎える日本PTA全国研究大会は820日(土)・21日(日)の日程で徳島にて開催されました。さいたま市PTA協議会では正副会長・常任理事ら10人余りで参加しました。大会の様子をご報告します。

1日目(8/20

1日は分科会です。さいたま市Pはあわぎんホールで開催された特別第2分科会 「地域防災を支える人づくり ~震災から学ぶ家庭・学校・地域のパートナーシップ ~」に参加しました。

1.分科会 会場前にて

基調講演は岩手県山田町教育員会の箱山 智美氏から頂きました。

2. 基調講演

箱山氏は山田町教育委員会に勤務中に東日本大震災を体験し、当時ご家族はそれぞれ別々の場所で被災された方です。当時の様子と避難生活、復興教育等体験談を交えて講演して頂けました。特に心に残ったのは震災翌日お子さんと会えたエピソードでした。震災当日から翌日昼まで箱山氏は山田町で教育委員会としての対応に追われてしまい、お子さんたちを探しに行けたのは翌日昼過ぎとなってからでした。お子さんたちは裏山の学校に逃れ無事で、翌日夕方 笑顔で再開できたとのこと。お子さんの当時の作文の一部を紹介されていましたが、「津波てんでこ」で親も探さずまずは避難ということを実践し、親はかならず見つけてくれるという強い信頼を持ち続け、それに父親が答えたという直接経験した方が語る言葉の重さが心に響きました。避難生活、復興教育等考えさせられるお話が多かったです。

2部はパネルディスカッションで、コーディネーターは前述の箱山氏と文部化科学省 生涯学習政策局 社会教育課PTA等共済室 PTA等共済指導係長 吉谷氏、パネリストは慶応義塾大学環境情報学部 准教授 大木氏、特定非営利活動法人NPO政策研究所 専務理事 相川氏、災害支援ボランティアダッシュ隊徳島 代表 川島氏、徳島県防災人材育成センター 所長 野々村氏で発表とディスカッションが行われました。

3.パネルディスカッション コーディネーター

4.パネルディスカッション パネリスト

大木氏からはご専門の地震について、日本における過去から現在における状況の説明がありました。更に、とても興味深かったのは防災教育に関してでした。幼稚園、小中高のそれぞれにレベルに応じたコンテンツを作成していて、幼稚園・小学校であれば身を守るための3つのポーズ、中高であれば「4コマ漫画の最後のセリフを考えよう」といったコンテンツの紹介がありました。
身を守るための3つのポーズは地震の際に身を守るためのポーズ(下図参照)をとるためのもので、本質的に何が重要で実際の状況でどのようにそれを実現させるかを子ども目線で説明しようとするものでした。この教育を行った学校で地震が発生したとき、机に近い児童はサルのポーズ、たまたま席から離れていた子はだんごむしのポーズをとったとのこと。実用性と解かりやすさに感心しました。

5.じしんダンゴムシ体操

4コマ漫画の最後のセリフを考えよう」は避難所でありがちなでかつ正解の無い問題を考えさせるコンテンツです。確かにこうしたコンテンツがあればより深く考えることができると思いました。

6.4コマ漫画の最後のセリフを考えよう

NPO政策研究所の相川氏からは避難所における人権や女性や少数者への配慮の問題、川島氏からはボランティア活動の実際的な話、野々村氏からは防災人材教育にお話を頂きました。
パネリストのご専門からの話とコーディネーターの適切なコメント・整理で有意義なディスカッションになった思います。

2日目(8/21 全体会

2日目は全体会でアスティとくしまにて開催されました。

7.全体会 会場前にて

今回の大会は日本PTA四国ブロック研究大会と併催で、まず四国ブロック研究大会が開かれ、その後日本PTA全国研究大会 全体会が開かれました。

8.全体会

歓迎のアトラクションとして阿波踊りがご披露いただけました。

9.歓迎のアトラクション


開会式後、記念講演は徳島県徳島市生まれの漫画家 竹内 惠子氏から「輝く未来をひらくために大切なこと」 ~子どもたち、そして私が自立するために ~ と題したお話を頂きました。

まとめ

分科会における直接被災された方の言葉の重さと慶応義塾大学 大木先生の考えさせる防災コンテンツがとても印象に残りました。PTAは実行力がある組織だと思いますが、被災時には各家庭が優先されることから組織的な活動は難しいでしょう。しかし、被災時にどのように行動すべきは日ごろから考え・備えていくべきことで、これにPTAができることは多いのではないかと思いました。今後具体的なところは考えていきたいと思います。

番外編  うずしお

うずしおを見学する機会がありました。鳴門海峡に架かる大鳴門橋の橋桁内(車道の下)に造られた海上遊歩道「渦の道」からうずしおを真上から見ました。大迫力でとても感動しました。

10.「渦の道」からみたうずしお

取材:西区 鶴